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詩と映画と日記

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裸足の伯爵夫人

裸足の伯爵夫人

監督
ジョセフ・L.マンキーウィッツ

出演
ハンフリー・ボガート
エヴァ・ガードナー
ロッサノ・ブラッツィ




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ハリウッドの映画監督のハリーは
新人女優を探してマドリードに来ましたが
お目当てのマリアは
踊りは見せても客席には同席を断る
変わりだねです

マリアのダンスを見て
女はうつむくか、そっぽを向きますが
男は口を開けて見とれ喝采します

スペインの内乱時代に靴を買くことも出来ない
貧しいこども時代を過ごし
おとなになっても靴を嫌って裸足になりたがる
闇のなかの宝石のように妖しく輝くマリアは
大女優への道を歩み始めます

自分では意識していなくても
運命の相手を待っていたかのように
並み居る富豪も貴族も
愛さなかったマリアのほんとうの姿は
真昼の太陽の下での素晴らしい踊り
「裸足のボレロ」に見えるようです

エヴァ・ガードナーは
黒い髪と瞳と割れた顎を持ち
ジャングルに生きる野獣のように
しなやかでエキゾチックです

「賄賂」
「パンドラ」
「ショウ・ボート」
「キリマンジャロの雪」
「荒原の疾走」
「バンド・ワゴン」
「モガンボ」
「円卓の騎士」
「八十日間世界一周」と活躍して
「裸足の伯爵夫人」の頃のエヴァは
カメラマンが選んだ
もっとも美しい女優でした

MR.ハードボイルドと言われた
あの渋い ハンフリー・ボガートも
ほんとうに渋くなって隠れて見えるほどに
最高にきれいなころのエヴァ・ガードナーを
満足いくまで見ることが出来ます

マリアを心から愛したけれど愛せなかった
(ご覧になる方の楽しみに残しておきます)
伯爵を演じたロッサノ・ブラッツィは
最も格好よい男の見本です

ときどき見直したくなる
大好きな映画です





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